調神社

新しい年の初詣は、かねてから焦がれていた浦和の調神社へ行きました。
調の字は「つきのみや」と読みます。
この事から月に使えるものとして兎がモチーフになっている神社です。
卯年である今年こそ機は熟したのだと思い、
きんと晴れた寒い日に訪ねゆきました。
立派な巨木に囲まれて、静かに時が流れている場所です。



狛犬ではなくて狛うさぎが出迎えてくれます。
子うさぎをなでなで守っているようで可愛いのでした。
ここは鳥居がない入り口を持つ神社としても知られています。

口からちょろちょろ、巨大うさぎ石の正体は?
手水場のマーライオンうさなのです。
どっしりつるつるしたうさぎと向き合って己の心を清めるのでした。
お清めする人達をちょっと離れて眺めてみると結構微笑ましい図。

今年も素敵な年になりますように。うさ頼み。
お参りのあと上を見上げると本道の木彫りが美しいことに気付きました。
荒波に乗る精悍な子たちは野生的趣きを持っています。

素彫りにもかかわらずこの目ヂカラたるや!
西日の光で力強く浮き出して、今にも動き出しそうでした。

池の真ん中ではぴゅーっと勢い良く吹き出しています。
隣りの白兎は一体何者なのか謎が謎を呼びますが…。


元日はさぞかし大賑わいだったことでしょうが、
ひっそりとうさぎが佇んでいる可愛らしくも落ち着いた神社で、良かった。
始めに、巨木と書きましたが、一つ一つの木もそれは見事なものです。
根元が隆々こぶだらけになったようなぬしたちに見守られて、
うさぎも月もますます輝きを増すことでしょう。
私は珍しくおみくじを引いたところ大吉を当てまして、
書かれていた言葉が気に入ったのでここに写してみようと思います。
「谷風に とくる氷のひまごとに うちいづる浪や 春のはつ花」
前途洋々なり、なんて云われたらそれはやっぱり嬉しくなりますね。


浦和へ来たらまた訪れたい神社です。

そのままさいたま新都心へガタゴト電車に揺られて向かいます。
この日、とても夕焼けがすばらしかったです。
空が燃えているようでなんだか怖いくらいでした。
本当はカメラを向ける行為も馬鹿馬鹿しく感じられるほどでした。
この夕間暮れの先、アルピーノ村というところがあり…、

美味しいクロワッサンやパート・ド・フリュイを求めて来たのでした。
バターの香りも芳しいさくさくほろほろのパンは、
知らない土地で心細い気持ちを一気に勇気付けてくれそうでした。


普段乗らない路線というだけで小旅行の気分で、楽しかったです。