Biblioteca-本の景色


散歩の終着点八丁堀、森岡書店で開かれている潮田登久子写真展へ。
このお店は初めてお邪魔したのですがとても素敵な場所でした。
古くからあるビルのくすんだアールデコを上手く生かして、
新しい空間に仕立て上げているところは恵比寿のシス書店と似ています。
実は、この展示のことはシス書店の佐々木さんに教えて頂いたのでした。


本をオブジェのように撮影された写真は一枚一枚がとても重厚でした。
羊皮紙がぶわぶわとめくれあがり閉じられないくらいの本、
付箋がいっぱい飛び出した、背表紙も取れた、ぼろぼろの子供の国語辞典。
本は過去を知っていて此処に居るんだなあと思いました。
老人の手の甲のように節くれだった洋書はまさにそうで、
生きてきた年月の分だけ美しく黒光りしています。
錆びたアンティークとぴかぴかのアートブック、
どちらもが並んだ森岡書店でこういう写真が見られたことはとても幸せでした。


その後、神保町美学校で平間貴広くんの展示「新・方法 棚ガレリ」を見に行く。
美学校の備品でもある棚にあった漫画雑誌ガロをのけて、
ぎゅうぎゅうにアクリルで拵えられた棚を取り付けてあるというものです。
平間くんらしくシュールで面白かったです。
新・方法を一緒にやっている中ザワヒデキ氏に美学校で教わっているようで、
美学校の話を聞かせてもらい、私もやりたくてたまらなくなる。
銅版画をきちんと学びたいという願いがずっと私の中にあるのですが、
死ぬまでに思いを遂げられると良いなあ、どうかなあ。