金魚は見えたか


10月20日は肌寒い日でありました。
ミッドタウンの21_21へ「これも自分と認めざるをえない」展を見に行く。
はじめに身体測定があり名前・体重・身長・瞳の色?などが入力されます。
どんな風に使われるのか慄いたけれども、
慄くというのはまさに自分を自分と認めているからなのでしょう。
腕を使って一筆書きの星を描いたとき入場者の誰と似た書き方であったか。
歩くうちに身長と体重が計測されて、あなたは○○さんですね、
と言わんばかりに名前が浮かび上がる。
というヒューマンインターフェースによって
匿名性を剥ぎ取られる快感もなかなかのものでしたが、
私は最初の壁全面に張り出された作品が一番面白かったです。


Ari Versluis and Ellie Uyttenbroekによる「Exactitudes」というもの。
国籍・年齢不問で似たような背格好の人物写真が9枚ずつ並んでいて
ひとグループにつきひとつのキャプションをつけたものでした。
「ヒッピー」とか「テクノ」とか「マダム」とか、
写真をみた後に読むと、本当だ、うふふ…って可笑しくなってしまう。
でも別のキャプションが付いていてもそれなりに納得するでしょう。
そう考えると今回の展示のテーマ「属性」というものが浮かび上がります。
人間は生物から現象までカテゴライズするのが大好きな生き物なのですね。
得体の知れないものを取り込み消化した気になってやっと、安心するのです。


21_21は開けている展示を心がけているようで、
難しくないし体いっぱい使って楽しめて芸術の扉のようで好感を持ちます。
しかし、いつも多方面に飛び火しすぎて散漫な印象もあります。
そう感じることもある属性の特徴の一つなのかもしれませんが。