los doroncos

現在、部屋の中には焦げと珈琲の芳ばしい香りが立ち込めています。
その実態はシフォンケーキです。
自分のおやつにシフォンケーキをよく作るのだけども、
常備している材料で、思いついたときにすぐ始められるところが長所です。
圧巻だったのはブラックココアパウダーを使って作った時でした。
いかにもココア色というべき優しい茶色ではなくて、
墨のように黒々したケーキのあのそそり立つさまよ。
悪魔的で食べ物じゃないみたいだった…美味しかったけれど。
さあ、今回の珈琲とオレンジリキュール味のケーキはどうなるでしょう。

10月も半ばのある日落合soupへライブを見に行きました。
まずはQuick Explosion Scratch Hurricanesです。
ヨシノさんの新しいバンドなので、楽しみにしていました。
しなやかそうに見えなかなかがりがりのロックでかっこ良かったです。
恐らく小野崎さんが曲を作っているのかなと思うに、
ポップだけど歪んでいたり少し気持ち悪い手法が組み込まれていたりして。
歪むといってもサイケデリックに揺らめく音楽とはまた違って明るい。
一筋縄では行かないところに心震えます。
ヨシノさんのベースが好きなのでこの日はがつんと聴けて嬉しかったです。
個人的にドラムが少ししゃかしゃか軽めの音なのが気になりましたが。


そしてlos doroncosは流石の安定感で素晴らしかったです。
風邪を押してでも来て良かったと思うほど、演奏にのめり込む。
一瞬にして闇の中へ引きずり込まれてゆきますが、
ただの黒ではなくて様々な色を塗り重ねた挙句の黒といった印象です。
闇の中の花畑、ギターの音色の雫は輝いている。ぽろぽろきらきら。
ロディアスでリズムが開けていて思わず体も動いてしまう音楽です。
風邪の名残の微熱で境界線が曖昧なまま、音楽から身を引き剥がして帰路。
自分の表現手段を見つけてしまった人は、それが何であっても強いです。