尖長球形褐色


今年は猛暑だったので、きのこもどんぐりも軒並み不作と言われています。
私も例年ほど探して歩き回ったわけではないのだけれど、
確かに手ごたえは少ないなあと感じます。
豊作ならば彼方此方につやつや光っているので足を踏み入れるとわななきます。
這い回って追いかけているうちに知らない所へ来てしまって、
トトロのメイみたいになることもしばしばなのが、近年めっきり…。


この、節くれが見事なベレー帽クロゼットはS氏からのお土産でした。
私がどんぐり集めを好きなのを知っているので、よく拾って帰ってきてくれます。

もともとはこんな風に立派な種がたわわに実った形だったようです。
輝いて丸々太っていた、だけでなく、虫食いも一つもないよい実ばかりでした。
でも、殻斗と枝だけでも、新手の喇叭みたいで素敵な容姿だと思います。

こちらは都内の某大学構内で拾ったもので、
一つのクロゼットでも大小さまざまの実がくっ付いていました。
「このどんぐりをどうするの?」って、
一人でもくもく拾っているとよくおじさんやおじいさんに訊かれますが、
土に埋めて次世代のどんぐりを待っているのです。
私が将来今の住処を遠く離れたとしても、
ふらり立ち寄った時にどんぐりの苗が育っていたとしたら…幸せになるでしょう?
人は拠り処を求める生き物だから、
自分の生きていた時間が何かしら形になっているのを見て安心するところがある。