EP-4 都市を再び覚醒させよ


まだ10月7日…。
体感することと文章にして捻り出すまでの時間差がありすぎて、
過去の感動へ遡るのは予想外に膨大なエネルギーを使う。
とにかく時間の使い方が下手という点においては筋金入りです。とほほ
しかし感動実況中継の暑苦しい独り言は苦手だし、
渦中に居ると掴めない語彙のしっぽを見つけるにはしばらくかかる。
となると、唸りながらキーボードぽちぽちする他にないのでした。
それにしてももう少しスパンを詰めて行きたいところです。


さて10月7日。
この日はEP-4佐藤薫さんが出演ということで、初めてDOMMUNEへゆく。
EP-4!この魅惑の響き。硬質で不穏でかっこいい記号。
その音楽はパンクと言われるけれど、
パンクというイメージの持つ熱さを削ぎ落として、
中の神経と骨がむき出しになっているような、全く贅肉のない音楽です。
でも、骨は骨であって鉄骨でないところがEP-4の面目躍如であります。
いかにも人間的に規則的リズムを刻み付けるのでした。
それからEP-4が他と一線を画しているのは、多面アートだということ。
レコードと形態、街宣、刺激的なものものは、
時代という河の上を乗りこなした産物とも言えるだろうし、
大河に流れ込む支流だったのかも知れないなあと思います。


DOMMUNEではまず毛利嘉孝氏・地引雄一氏・小暮秀夫氏が、
youtubeの映像も交えてEP-4の歴史を辿っていったのですが、
ステッカーによるアジテーションや同日多発ライブくらいしか
知識がなかったのでためになりました。
毎日のようにその音楽を聴いていても音以外にめっぽうに疎いのです。
佐藤さんを迎えてからは過去・現在・未来に分けて話が進んでいきました。
眼がぎらぎらしたとてもオーラのある人、いやE-Powerのある人で、
今後の活動に意欲的なのが印象的でした。嬉しいです。
EP-4は京都で活動していたバンドですが、
私もついこの前京都へ行って来たばかりなので、
三条、寺町、と京都の地名を聞いてすんなり頭に吸収していけるのは良かった。


流れたライブ映像のかっこよさには思わず目が釘付けになりました。
テレビジョン積み上げたステージで歌う姿は映画の1シーンみたいで。
図らずも私も一番好きなcoconutsという曲のとき、
佐藤さんはその場でエフェクターボコーダー?を用いた時代越えセッション。
このイベントは好きなアーティストの話を間近で聞けること以外に、
寄る人の数だけ化学反応が生まれて濃度が高くなることも面白かったです。


そして警戒していたDOMMUNEというメディアに関しても、
実際に行ってみたらシンプルで人を選ばず楽しいもの、と好感を持ちました。
私はもう少し頭を柔らかくしたいと思いました。
実りの多い夜でした。