Zen and Humor

帝劇ビルの9階、出光美術館へ「せんがい 禅とユーモア展」を観にゆきました。
(本当は漢字であるけれどがいの字がPCだと反映されず)
せんがいさんのことを教えて下さったのは乙女美のお友達でした。
その方のふんわりした優しい人柄と、
せんがいさんを好きという嗜好はとてもしっくり来ていて頷けるものがあり、
好みは人をそれ以上に表すものだなあと感じた記憶があります。


禅僧でありながら絵心のある人だったようです。
年を追うごとに一筆書きのような柔らかな筆致となってゆきます。
絵の無駄なものを削ぎ落としてゆく過程の中にも、
おそらく思想が影響するのだろうと描かれた円をみて思います。
仏教のことは明るくないけれど、それを除いても見ていると心が落ち着くのでした。
というのは、
人の表情が自然で思わずこっちも笑ってしまうくらい可愛らしいのです。
私は、はなから考えさせられるものよりも、
まず笑いが生まれるもののほうを愛しく思います。
垣根を取り払って、繋がってみようという気にさせるから。
そしてそれは、得てして堅いものより作り出すまでが難しくなかなか成功しない。
全くベクトルは違いますが、
私がやろうとしていることもそういうものでありたいとは思っています。


さて、扱うものがものだけに観覧者が見事に高齢の方ばかりで、
そしてこれほど渋い美術館に入ったのも初めてで、
非常に気圧される思いでしたが作品自体はとても良かったので楽しかったです。
その後SAGや青木画廊などいくつかのギャラリーを廻り、
私の好きな欲にまみれたどろどろしたもの(褒め言葉)を沢山観て、
あっという間に自分の立ち位置にくるくるすとん、と着地しました。

着地したのがメリーゴーランドの上であったので、しばらく眺めてみる。
きらきら幻想的でとてもきれいです。

水道橋、ラクーアのメリーゴーランドはこの夜は誰も乗っていなかったので、
私の欲だけを乗せて回ってもらいました。