9.20オオサカ

ぽーん、と新大阪駅のチャイムが鳴って、
駅の中に降り立てばそこはもう西の空気でした。
やっと旅に出ることが出来た嬉しさではち切れんばかり。いざ、大阪!

今回の旅の目的は太陽の塔で、たっぷり元気をもらいに来たのでした。
以前、春に来た時はまるで雨にけぶる摩天楼で、少し畏れましたが、
ぴかぴかの晴天に映えるこの眩しさは紛れもなく陽のものでした。
かの天才のパワーが今もシャワーとなって降り注いでいます。

ごつごつと肉質的な表情はどんな感情も含有しているような、
近代のアルカイックスマイル。
炎天下どれだけ眺めていても飽きることはありませんでした。
金色の面は太陽をギラリと反射し、そこでは鴉が鳴いているのです。
私だって出来るならそこまで登りたいのに、君は羽根があって良いな。

見上げながらぐるりと廻り腋の下をくぐり抜けます。
赤いタイルのモザイクが途方もなく、蠕動する静脈に思えてくる。

反対側にある闇の顔も大好きで、こちらは少々神秘的な香りがします。
でも私は巨大なたわしをかかげてゴシゴシお洗濯したいよ、
黒い涙を流しっぱなしでは辛いでしょう。

割に鼻筋の通った切れ長の目の顔、これは過去を表しているそうです。
黙して語らずあえて美化もせず、ありのままの美しさがあります。
太陽の塔に会いに来てすごく勇気が沸きました。ありがとう。

万博記念公園付近を散策していたら、悶絶もののマンホールの蓋を発見。
足下にまで太陽の塔が散りばめられているんだこの町は。
なんて可愛いのでしょう。

こちらは水道局の公共基準点の印ですが、
上のものよりささやかながら顔がメルティーでよい味わいです。

太陽の塔のふもとでは、芝生に座り秋風を浴びつつおやつを食べました。
松竹堂という万博記念公園駅の北側にあるお店のフルーツ餅です。
この餅にたどり着くまでが大変でしたが(2回目なのに多いに迷う)、
桃とマスカットがごろりと入っていて絶品だったので全ては報われました。

公園を楽しんだ後はミナミに戻りほてほて歩いて、
たれのいらないという元祖たこ焼きを頂きました。
このために私は数ヶ月たこ焼き断ちをしていたのです、執念です。
アメ村周辺の沢山の中古レコードショップに連れて行ってもらいました。
こちらにはディスクユニオンのような大手がないらしく、
一つ一つの店舗がすごく頑張っており粒ぞろいで好感を持ちました。
ライブハウスもいっぱい、楽しいことが巻き起こっているんだろうな。
出来ることなら関西サイケシーンのライブをがつんと受けたい所でしたが、
タイム・アウトで今日の日はさようなら。