ロシヤから舞い上がる

6月17日、ブラウスが腕に張り付く暑さだったと記憶します。
しかし今から思えばあの頃の暑さなど、たかが知れたものでした。
この日まずは庭園美術館にゆき「ロシア構成主義のまなざし」を観ました。
直線的な構図が遠慮なく迫ってくる、そして目前を掠めてまた飛び立ってゆく。
大胆ではあるけれどやはり寒い国の色使いだと思いました。
空と並々ならぬ関係を築いている国ですから、
飛行機のデザイン画やロケットや宇宙をモチーフにしたラベルなど、
素敵なものがいっぱいで刺激もいっぱい。とても楽しかった。


そして隣接の自然教育園へしずしずと進みます。
植物と周辺の生物のためにある場所を人が歩くことを許可されている、
というスタンスなので、それは自由奔放で怖いぐらいの緑です。

ぐるんぐるんのとぐろ樹に出会いました。樹皮の鱗も息づいています。

枝の額縁で切り取られた向こう側は映画の世界のようでした。

やっぱり5月の新緑とは明らかに色つやが変わってきています。

木のうろを見つけるとどうしても顔に見えます。佐々木マキ風?大矢ちき風?

これは、日本でないみたいな光の色と影で頭の中が沸き立ちました。

水面にびっしりはびこる水草の一種です。
私は小さいものが満面多い尽くすという情景に異様に興奮するたちです。

トラノオの花は可憐で美しいのでした。
葉と同じように先が細くて幾何学的なのはなぜなのでしょう。

現在なんてものが足元からぐらついてしまうほどの魅惑のきらめきです。

振り返り緑のトンネルにさようならありがとう。
蚊にはいっぱい刺されたけれど、しばしの素敵な冒険でした。