飛沫まわる

破片はそこらじゅうに散っているのに触ろうとすると逃げる。
芯となるものがまだできていないために、固まったかに見えてすぐ解れてしまう。
このステージが一番やきもきして大変です、わくわくもするのだけど。
血が渦巻いて膨らんでいるようで、早くどこか切り口を作って出してあげないと、
発熱してきてしまいには破裂してしまいそうです。


破裂を助長するくらい刺激的な展示をいくつか観てきました。
印象深かったのは、文化村ギャラリーの「幻想と異端の図書室」展でした。
私の大好きな中村宏のポスターや原画を見ることができてとても良かったです。
この人の絵ときたらいつでも、見るとうわあって走り出したくなります。
「おれ、まんが、描きたい!」
って赤色エレジー林静一)の一郎が言って走り出すシーンがありますが、
あんな風ななんともいえない想いが沸き起こる力を持っています。


それからウィトキンの写真集が実際手にとって見られたことも大きかった。
古本屋さんで○万円するような本ですから、
普通なら丁重にしまわれていて中身はほとんど見られないのです。
そして中身は、実に変態的、素晴らしかったです。
舐めつくすように見てきましたが、できることなら手元に欲しいな。



1日家にこもってお裁縫に没頭していた日もありました。
まずは帽子をセーラーテイストにリメイクしました。
木馬の紺リボンは質が良くて扱いやすいことこの上なしです。
折りしも今期のjaneがリボンパラダイスで相性が良さそうなので嬉しいです。
マリンルックに合わせて沢山使ってあげたいと思います。
普段使いのストールはちくちく手縫い、これが何とも心が安らぐひとときでした。
祖母も母も私もそうなのですが、
縫い物をしているときは入浴時に匹敵するレベルのα波が出るみたいです。
他にも、S氏のパンツのデザインを変えるという頼まれ仕事を無事遂行し、
楽しさに比例して全身糸くずまみれとなりました。
おこもりで縫い物のときは、リズミックな電子音楽が興が乗ってよいです。


こうして楽しいことはぽちぽちやっていますが、
何となくやはり不安定なようで顔が曇ることもしばしばあります。
それでも、月がとっても青いから、遠回りして帰ろう。