さんまの内臓覗いて見れば

ぴかぴかに晴れた暑いくらいのある日、目黒をお友達と歩いて参りました。
寄生虫館を冷やかしたりして体じゅうがうぞうぞしてきたところに、
外の太陽光線はいつもどおり足元に濃い影を作ってくれるのでした。
人心地ついてぐっと地面を踏む。


見えないけれど居るものにはいろいろあります。
ウイルスのように目に見えないものはどうしても感覚では掴めないけれど、
寄生虫は見えていないけれど居るものでした。
あの驚異的な形と生き様を辿ってゆくと思いのほか、疲弊のていに。
世界なんて人間のものなんかじゃなくて、
ほんの一部借りて生かしてもらっているんだもんな。

目黒の裏通りはなかなか楽しくて、背伸びしていない良い町でした。

人間の方がよっぽど得体の知れない寄生虫です。ぐねぐね。

林試の森という広い公園に入ってゆくと、美しい木立が出迎えてくれました。
土の匂いがすることが嬉しくて深呼吸。

夢のような光の中に私達をいざなうのは、おびただしい数のプードルでした。
メープルクッキー、黒豆、綿菓子、ココアシフォン、桜のムース、フォグ、
名づけが間に合わない可愛い子たちはもくもくと増えてゆきます。

大きな道路が交差している地域でも、覗き込むと意外に緑の茂みがあるものです。
目黒の裏道散歩、思いのほか堪能しました。
しかし、残念ながらさんま(魚)とは遭遇しませんでした。