風薫る、つる伸びる

子供に返って五感を爆発させたいと思っています。
本当はいつでも岡本太郎のように純粋に奔放であれたらいい。
けれども、悲しいかな社会に嵌り込んでいてはなかなかそうも行かず、
知らぬ間にストレスの灰が降り積もって足元から化石になっていってしまう。
自分の体を叩いてみて、生きていますか、って確認するために、
5月はなるたけ外でお日さまの光を浴びたいです。
あの輝く新緑は、あっという間に大人も柔らかくほどいてくれます。

こどもの日はみどりの日と地続きだったのでした。
吉祥寺が初めてというお友達をまずは井の頭公園にお連れしました。

おいしそうな絨毯です。
うさぎになって駆け抜けて、自分の背丈くらいあるこの草を貪り食いたいような。

木漏れ日は大ぶりの水玉模様になります。
ギターを弾く人、スワンに乗る人、手を繋ぐ恋人達の上をそよそよ揺れます。

私の名前をhalujionにしたのは、
吉祥寺に住んでいた私の一番好きな漫画家大島弓子さんが、
ハルジョオンヒメジョオンを好きだと言っていたからです。

公園を練り歩いた後はくぐつ草で一休みして、京王線越しに散歩を再開しました。
バナナ!
は生っていないけれど、黄色い花かガクのようなものがたわわに実っています。

こういうのを見るとメラメラ来て写真に収めずにはいられません。
自然が人工物を凌駕しているのはなぜだか笑いが生まれる、そして勇気づく。

こちらの蔦もそう、植物はいつだって強かで愛らしいです。
「野郎ども、やっちまえ!占領だ!」などとメガホンでがなる蔦の親分になりたい。
ご一緒したお友達とつる植物についてしばし話をしたのでした。

このふくふくの黄色い花、もっこうばらは今が盛りです。
そういう名が付いていると知ったのはちょうど二年前の今頃でした。

最後は私らしく鉄塔でお開きとします。
西荻窪までえんえん歩きつつ音楽や本の話をするひとときは楽しかったです。
気ままな散歩に快く付き合って下さってどうもありがとう。
今度は大阪へ遊びに行きます、とお伝えしたので、
その日までたこ焼き断ちを決行しようか、ちょっと悩んでみたりしています。


散歩が趣味の人がどんどん増えると良いな、
そうしたら世界はきっと少しずつ優しくなる。