多摩の獣たち

世間でのGWは私にとって繁忙期なのでもくもくと働いていました。
連休がない身にそれは若干羨ましくも感じますが、
一人が遊べるのは大勢の人間が働いてくれているからこそだと、
この仕事に就いてからしみじみ感じるようになった。
感謝の気持ちを忘れないで居られるので今のままで満足です。
そんな中、4日は私にとってもお休みの日だったので、出かけました。

あでやかな孔雀の雄に迎えられていざ多摩動物公園です。
自然の造形にため息をつくほどの、サイケデリックもくもくれん。

この動物園は広大な丘陵地を生かしているので動物の生態がよく分かります。
緑の中で、砂地で、ありのままに近い彼らの姿を人間が覗き見しているよう。

20度超えの夏日だったために、動物たちもだらーとしておりました。
ライオンの雌は100%ウールのコートを持て余してくったり。

ああ、壁が僅かばかりのひんやりなんだろうか。
アフリカゾウは頭蓋骨の形が好みです、これでは臀部の形しか分かりませんが。

キリンの本物を見るたび、なんて不思議な動物がいたものだろうと吃驚します。
伏目がちなまなこは長いまつ毛で縁取られて、それは優しそうな面持ちでした。

一瞥するとただの岩山なのですが、実は8匹ものオオカミが居ます。
オオカミって擬態する動物だったかなあ。
群れて擬態も出来るとなると最強に思えますが、日本では絶滅してしまった。

一番どうしようもない格好だったのはカンガルーでした。
最早、ビールを飲んで畳でうたた寝している夏のおっさんと化しています。

頭の先から尾っぽまでの流れるような形とグラデーション。
自身の体で虹色を体現しているなんて夢みたいです。

原色をいたずらに載せたような生き物が溶け込むなんて、
南の国とはどのような所なのでしょうか。

むしゃー。私はアジアゾウが大好きです。
見ているだけで、あの鼻で抱っこされてるみたいな気持ちになります。
アフリカゾウの猛々しい雰囲気とは離れた穏やかな灰色の身体。
背中に苔など緑が芽吹いているのを見ると悠々した時間を感じます。

唯一動物園のアイドル然としていたお方、豹。
見られるということをしっかり意識していてやっぱり猫科の動物は違うと思った。

素敵な鎧をお召しのサイは、基盤ぽくて、両生類や爬虫類に近い印象でした。

獏は一番長い間眺めていました、悪い夢を食べてもらいたかったからです。
隣りの男の子が「あの鼻で蟻を吸い込むんだよー」…それは似て非なるものだよ。
それに、吸うってのもちょっと違う気がするよ。

不思議な色調にぽってりの腰つきが愛らしかったです。
耳の先までいつくしみに溢れておりました。

食べてばっかりで結局ご尊顔を拝むことができなかったのですが、鹿、多分。
揃いのしっぽがぷりぷり揺れて可愛くて、パパラッチです。

みどりの日特典とはいえ動物大盛り¥0なんてありがたさに最敬礼の気持ちです。
大好きモノレールに乗って眠りながら帰ってまいりました。