アール・デコの館2
部屋全体に視野を広げると丸みが生かされているのがよく分かりました。
2階のある部屋、昼〜夕にかけての採光が計算されている窓辺でした。
小さい劇場みたいで、入ると背筋がぴっと伸びるようです。
部屋のラジエーターカバーには魚や巻貝がいます。
各部屋に合わせて作られたみたいで、どれも凝ったつくりでした。
ヘキサグラムの書斎はこういう風でした。
飴色の本棚にかつてはどんな本が並んでいたのかな。
この部屋には奥まで入れませんが、窓の外には桜が見えるのかもしれません。
バスルームも広さがありますが、色味があるので寒々としていない。
大きな窓がサンルームに続いていて、日中のお風呂はさぞ気持ち良かったろうな。
バスルームをドアの方から見るとタイルの模様が面白かったです。
配水管や水道3連発、どれも渋い色合いです。
サンルームは市松模様、この無機質な空間の外は緑の庭園で、
ピーター・グリーナウェイの映画の1場面みたいでした。
これがあのウインターガーデン…素敵ですが、相当冷えます。
暖かい紅茶でも持ち込まない限り冬は居られないんじゃないかと思う。
デッキへと続く丸窓でおしまいにします。
ああ楽しかった。庭園美術館、豊かな気持ちに浸れる場所でした。
庭園へ出てゆくと桜がほわほわ咲いていて夢のようでした。
晴れた日の桜は白っぽく光っていて、散ると鱗粉みたいにキラキラします。
これは植物の繭です。ぜんまいにしては大きいし、こごみかな。くるくる。
目の前に一輪だけぽんとあらわれて手品みたいだったピンクの花。
楽しい時間をありがとう。