アール・デコの館1


先日、東京都庭園美術館の建物公開に行って参りました。
今年は桜の季節に開かれるということで、
建物の内も外も楽しめる美味しい日になりそうだったからです。


平日にもかかわらず盛況でした。
広くて上品な部屋部屋では混雑を感じさせず、のびのび見ることが出来ました。
シニア世代ひしめきの隙間にもぐりこんで時に写真を撮りながら、
華やかな内装をじろじろ観察してきました。
建築デザインに詳しくないのですが、
独特の柔らかい雰囲気と曲線を随所に生かした大らかなところが素敵でした。
木の質感を生かしたものも多かったのが、
日本ぽくて、よそよそしくなくて、ほっとします。


私が乙女美学校で通っていた自由学園明日館の感じとも似ています。
それもそのはず、フランク・ロイド・ライトのデザインもアール・デコ建築でした。
ライトはもっと幾何学的なかりかりしたデザインのように感じます。
こちらの庭園美術館(旧朝香宮邸)はアンリ・ラパンのデザインで丸い感じです。


何よりも印象的だったのが各部屋の照明でした。

エントランスの上は太陽がいっぱい
太陽というよりもめだま焼きがいっぱい。

左、まるで天球儀のような、宇宙の一端を担う明かり。
右、シャンデリアらしからぬ優しさで蛍を連想します。

左、モダン行灯その1です。ステンドグラス風の装飾も天井の紋章も繊細でした。
右、さかさくらげドームの内側にたたずむ。左下のにょっきり手はオブジェです。
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モダン行灯その2です。90%和風なのだが、素材で10%切り返していてお見事。

私が一番好きだった書斎の空にはヘキサグラムと満月でした。
悪魔も裸足で逃げていくね。
両脇に天井まで届く重厚な本棚と梯子が据えてあり、うっとり、住みたい。

左、階段口のきらめく金平糖は乱反射して素晴らしい投影でした。
なんだかミニチュアに見えるのは、切り取られた入り口の丸みのせいか。
右、元洗面台の現ロッカースペースもこのとおり、ぬかりなく。