ウンダーカンマー

仕事帰りに東大総合研究博物館に寄りました。
茗荷谷は学校や緑地が多いので桜の樹木もたくさん並んでいます。
暖かい日差しの中でうすもも色の花びらが舞ってとてもきれいです。
そこをゆくのはお春じゃないかー、とはっぴいえんどを歌いたくなる気持ち。

植物園に面したバルコニーから、桜とはしゃぐちびっ子がよく見えます。
本当のことを言うと「命の認識展」という本館(本郷)でやっているのを
見に行くつもりでしたが、またもや勘違いして別の場所へ来てしまいました。
わざわざ分館の方へ赴くなんて何を考えてたんだろう。
もう、こういうとんちんかんな事が多すぎて自分にがっかりです。
でも「脅威の部屋」という常設展は見たことがなかったので、
そして素敵なものがたくさん並んでいたので意外と楽しんでまいりました。

黄色っぽい明かりがとても上品で良かったです。
大きな地球儀と、鹿の骨格がにやーり、しっくりきています。

今にも飛び掛りそうなこれは、小動物の骨格標本のひとつです。
個人的には、腕を広げた状態のムササビや蝙蝠が良いなあと思いました。

亀の瓶詰めというのはいやはやものすごい衝撃…夢に見そう。
爬虫類の鱗の一枚一枚は美しくも鳥肌ものでして、じっくり観察しました。

駝鳥の素晴らしいSラインと脊椎の骨密度。
動物には骨粗鬆症ってないのだろうか。

ハーイお元気ポーズ(パタリロ)!
美しい顔を持つ人も良いけど美しい内臓を持つのも素敵です。

博物館って保護のために照明をぐっと落としてあることが殆どだけど、
ここはライティングも明るく、ものの美しさが引き立つ展示でした。

ぺたこら歩く可愛いトカゲの骨図。
太古の昔の壁画のように、やんちゃな感じがうっすらにじみます。

並ぶプロペラ、横は船艇模型、
それらが宙に浮いて影を作っているところなんてとてもロマンチックです。

大航海時代の西欧諸国で、Wunderkammer(驚異の部屋)と呼ばれる
珍品陳列室が王侯貴族や学者たちによって競ってつくられたと言われています。
月兎社の加藤郁美さんがおっしゃっていた言葉を思い出します。
鰐の標本があれば胸を張れるウンダーカンマーだといわれていたと。
もちろん鰐は後方にありました。
古い薬屋の棚や薬瓶をそっくりそのまま貰ったことも多かったとの話でしたが、
確かにそれらも並んでいて、以前から興味を持っていた話がこうして、
展示としてでも実際見ることが出来たのが大変面白かったです。


思いのほか堪能してしまいました。またふらっと訪ねたいと思います。