ヤン・フードン展
お休みの日は昼までぐっすり…
というのが恒例なのですが、
所用で早起きせざるを得ない状況がありました。
まさかの、まさかの、午前中品川到着です!
通勤中の人民の波を掻い潜りつつ、
やればできるんだと静かに感動する。
原美術館にてヤン・フードン展を観る。
中国現代社会の断片が、
時に演劇のように時にドキュメント写真のように、映ります。
「竹林の七賢人part3」という作品が私は一番印象深かったです。
白黒の無声ながら53分もあるフィルムなので、
映画を一本見終わったときと同じくらいみっちりと濃厚な時間でした。
中国の山間部で行われる数々の季節行事は、
スーツを着こなした都会人や裸の女性が混じるだけで異様なものに。
勉強不足で作者の意図しているものはまだあまり理解できないでいますが、
心がざわざわしたのは事実でした。
そしてなぜか、ずっとこのままこの映像を眺めていたいとも思いました。
(ただの寝不足だったんじゃないか?)
大型映像インスタレーション「将軍の微笑」は発想が面白かったです。
カーテンを開きあの晩餐会に招待されたなら、
あの老人の思想や趣味や昔のいろいろを勝手に想像してしまいます。
中学生の頃、全校朝会での校長先生のお話がつまらなくて、
生徒は直立不動でいながら皆それぞれに頭の中で別のことを考えている。
そんな情景を思い出していました。
数年前に国立新美術館であった中国現代アートアヴァン・ポップ展、
あれは私にとってものすごい衝撃でした。
今までどちらかというと否定的な目を向けがちだった国に、
こんな面白くて他にないようなことをやっている人がいるとはって、
一気に中国に対する興味が膨れ上がりました。
今回の展示も、アヴァン・ポップではないけれど、
あの時から「中国の芸術なら見てみよう面白そうだ」って、
思うようになったからこそです。