シベールの日曜日 live

東京に雪が降ると珍しいからみんな子供みたいにうわーってなる。
それが微笑ましくて私は外に出て歩いたりします。
ちびっ子がぽんぽん帽子をかむって飛び跳ねて母親が心配したり、
黒づくめのサラリーマンが肩をすぼませて白づくめになっている。
どうだいどうだい、君のとこの雪の様子は、ご機嫌ですか?と、
心の中で呼びかけながら勝手に見回り先生の気分になっています。
私自身は年始に故郷にて、童心に返り雪と存分に戯れたので、
このたびは大人しくつるりと滑ったりしたくらいです。


つるりと滑るとshowboatだったので、シベールのライブを観ました。
音が良いことや音が大きいのは気持ちが良くなる大切な条件のひとつ。
前回よりも曲が緻密になってきれいで聴きやすかったです。
日によってがりがりした原石のままの時もある、
それは乱反射して目がくらむようなライブ。
ナイフの切っ先のような危うさをこのまま持ちつづけて頂きたい。
私は素人だからバンドとして出てくる音が良いか悪いかでしか判断できないけど、
緻密に感じた故かこの日は各パートがクリアで、
どんな色を持っているのかが少しだけ見えた気がします。
計算しているのか偶然の産物なのか、まあ音楽なんて全て偶然の奇跡か。


そしてワボチャオがもう凄まじかったです。
久しぶりのワボチャオでしたが、本日の総てをかっさらって行った、怒涛のごとく。
このバンドはいつもメンバーの皆さんがにこにこ顔で、すごく楽しそうに演奏します。
どうなってるのか分からない混沌の中で確実に人を振り向かせる魔力があります。
とにかく言葉も出ないくらいかっこよかった!
大谷レイブンさんはメタルの泉を湛え、早弾きとかき鳴らす高音波に唸りました。
本当にお腹いっぱいの素敵なライブでした。


チケット代を払った後のお財布の中身は40円でした。
雪でつるりした時に頭でも打ったのか、幻か、自分よしっかりして。