駒沢給水塔

またもや冷えがやって来て、手指をじんじんさせています。
寒くとも晴れてさえいればお散歩日和なわけで、本日は駒沢へゆきます。
いつかいつかと夢みてきた駒沢給水塔を眺めにやってきたのでした。
桜上水で下車して細長い通りを歩いてゆくと、

ソユーズ発射準備完了。
知らなかった、宇宙基地がこんな住宅街に潜んでいたとはね。

そして水路上の突き当たりに聳え立つ建物がこの王冠です。
さながら王族のように品のある立派な面構えです。

双子の給水塔といわれ、橋渡しには鉄の梯子レースが架かっています。
縁飾りの地球儀みたいなものの意義は分からないけれど、とても可愛いです。

公の建物なので残念ながら敷地内に立ち入りは許されていません。
それで、40番地をぐるぐると廻りあらゆる角度で堪能してきました。
北では緑道にくるまれて、骨ばった枝えだが塔をがっしり鷲掴みにしています。

背後で「ぽかん」と音がしたので振り向くと木から何かが落下したもよう。
遮二無二にとげとげ…反骨精神溢れる木の種でした。
ほっ、頭に当たらなくて良かったです。
素敵な形だけど、こんなバイオレンスアナーキーにぶつかるのはご免です。
でもちゃっかり濱田家のパンの袋に入れて持って帰ってきているという。


民家の軒先でこっここっこ聞こえるのでたいそうびっくりして、
庭木をそっと掻き分けて覗き見るとチャボがいっぱい居たりもしました。
給水塔の周りは雰囲気もおおらかで優しそうなお家が多くて嬉しくなりました。
自分の部屋の窓からあんな塔がひょっこり見えていたらどんなに良いだろう。
本当に羨ましいな。

名残惜しくて何度も何度も振り返りつつ帰りました。
実は以前このあたりに住んでいたのだけれど、
不思議なものでその頃は赴いたこともなかったのでした。
逆に今の住処もきっと、一歩道をそれると素敵なものがたくさん隠れている、はず。