豊田道倫×ヤマジカズヒデ live

豊田さんの歌は裏表のないそのままの魂のようなものを感じる。
決して歌が上手というわけではないのだけど、
有無を言わさず人の心にどしんとぶつかり、
大きな振動を与えるような力のある歌です。
「チーズバーガー、コカコーラ」という曲が私は好きでした。
ヤマジさんのギターは豊田さんのそれと全く違う音質なので、
キラキラしゃりしゃりした高音質の膜がきれいな反響を起こしていた。
豊田さんがどんなにヤマジさんのことを好きで尊敬しているかが、
この日分かった気がします。
終始優しい雰囲気だったというのと、何より音楽にそれが如実に現れていました。
アンコールもすごく良かったです。
「僕の友人の」と紹介して戸張大輔の曲をやった時はなんだか深く納得しました。
どちらもピュアすぎて傍目にはクレイジーに映る危険を孕んでいる所がそう。
TIME ACID NO CRY AIR 6Cはヤマジさんが歌い、
しっとりとしたライブが終わったのでした。


その前のSAKANAのpocopenさんの演奏は、
柔らかくて暖かい愛に溢れた歌でした。
豊田さんの歌が完全に男の視点なのに対して、
pocppenさんは少年とか少女とか少し不安定な捉え方の愛のような気がします。
pocopenさんの不思議な歌声を聴くと、
生きているってこんな素晴らしいことなんだってじわじわと感動が襲ってきます。
それも、ぎらぎら輝く太陽の下そう思うのではなくて、
夕暮れのセピア色だったり夜の公園に佇む一人きりの世界だったりするのが、
かけ離れていなくて心強いのです。
SAKANAとは違い若干湿り気を帯びた曲を、気持ち良さそうに歌っていました。


素敵なライブをありがとうございました。