本と切手と

切手帖とピンセット 1960年代グラフィック切手蒐集の愉しみ
1日の時間の中で読書に充てられる割合が大きくなればなるほど、
じんわり幸せな気持ちになります。
しかし、仕事の疲れでもって家に帰るとバタンQが多いのです。
新聞すら時間をかけて読むことがままならず、これはとてもストレスです。
お休みの前の夜などはベッドにこんもりもぐり込んで本に没頭するので、
好きなだけ読んで、疲れたら次の瞬間眠りにつけるというしばしのハライソ。
どうも活字を追うのが好きらしく読めれば良いという考えなので、
古本屋の店先に積んである1冊100円棚でぞっくり買い込み、
わしわしと読んでゆくのが私の平常です。
けれども時には装丁ありきの美しいものや写真集も買うことがあって、
それは時間をかけて大事に読んで慈しみます。


ひと山の文庫本を除いた最近手に入れた本は、
工作舎 映像体験ミュージアム−イマジネーションの未来へ−、
芸術新潮 芸術的なあまりに芸術的なヘア大特集、
別冊太陽 特集ユニーク博物館めぐり、
国書刊行会 切手帖とピンセット、などです。
特に「切手帖とピンセット」はとても楽しみにしていたので嬉しさもひとしお。
可愛い割り印を携えて月兎舎さんから届いたときの喜びといったらないです。
私はフランスの美しい海切手に夢中になりました。
それは、描かれている海の色が全然違うのでした。
スモーキーな紺、青紫、緑色野中に静かに浮かぶ気泡や生き物は、
大昔からずっとこうしていたような、今もそこにある海中の景観を、
そっと潜水艇の覗き窓で見ているような気持ちになります。
紙の質感やエンボスや色も本当に細やかな仕様でうっとりします。
しかも単なるカタログでなくコラムの奥深さには知欲も刺激されます。
私もロシヤの宇宙切手などはちまちま集めていますが、
もうこれだけの本があるならば満腹です、お任せして見て楽しむに徹します。


最後に最近買った可愛いもの、プフレーゲライヒトにて。

博物画のような鳥の巣葉書、気に入った鳥の巣の形で選びました。
はさみ柄のマスキングテープはおそらく封書に大活躍の予感です。
苔色と生成り色の組み合わせにどきりとした6角形付箋。
読後の感想をお手紙にしたためるとき、とてもしっくりきそうな方々です。