森がもりもり

やれ、待ちに待った春が来た!
と思わせる陽気と日差しで嬉しい目覚めです。


武蔵小金井からバスでどんどこ南下して府中の森公園へゆきました。
たっぷりとある地面を背の高い木が縁取り、それはよい場所でした。
公園内の起伏で丘のようだったり谷のようだったりする。

冬の樹木は枝だけになっているので空を大きく眺められます。
節くれだった細長い指で青色をしっかと支えているさまが美しいです。
ここはやんちゃな植物が溢れていて、整備され過ぎていないのが気に入りました。
幹はぐねぐねととぐろを巻いて自分が木だということを忘れているかのようです。

その腕には芽吹いて伸びはじめた子供たちが乗っかっています。
折りしも昼下がりのショータイム、スポットライトを浴びています。

お花の良いかおりがふわっとしたので振り向くと、
桃色のあられが舞ったようにヤエカンコウが咲いていてとても素敵でした。

足元だって抜群に面白くて目が離せません。
どんぐりの半分朽ちたのや、さるのこしかけの欠片、ジュズダマがてんてんと。
まるでリスが食料庫ひっくり返したみたいなありさまでした。

水の音がするのでそちらに進むと大きな噴水がしつらえてありました。
霧の帯に虹が現れたのでじっと見つめていたのだけど、
辺りの野鳥もなぜかそちらを向いているのだった。


上に伸びる枝がすっからかんということは下に葉が落ちたわけで、
その膨大なる落ち葉を集めたふかふかブースを私は見つけてしまいました。
わあ!子供だったならダイブしたり潜ったり出来たのに惜しいな…!
しかしてお昼ごパンの豚鼻くんと記念撮影をするに留まりました。

かくれんぼの気分で「誰かその中にいるんでしょう?」と聞いてみました。

ほらやっぱり、頭隠して尻隠さず、下半身が横溝正史的になってしまっているよ。

かくれんぼのつもりが鬼ごっこだったようで、空から掴まえられそうになりました。

日の光が柔らかく照らすのでとても気持ちよく散策が出来ました。
また新緑の季節にお邪魔しようと思います。