シベールの日曜日Live

この日のシベールを見て、
音楽ってなぜこんなに気持ちがいいんだろうと思いました。
何が無くなっても音楽さえあれば生きていけるような。
冷静になると馬鹿みたいだけど、その瞬間は心からそう思いました。
耳が痛いくらいの爆音でこそ本領発揮するバンドは確かにあります。
黒いどろっとしたものに包まれて全身が震盪する。
本当に素晴らしくてかっこいいライブでした。
不思議と本を読んでいるときのような感覚があります。
繊細なつくりなのに放出する段階であまりに暴力的で、
頭の中でぎゅるぎゅる咀嚼するからかも知れません。


シベールは自分たちのやりたいことが明確で、
しかも体現できているバンドなので安心して委ねられます。
若いけれど才能溢れる人たちで羨ましいです。
音楽としてはらはらどきどきさせられるのが観客として一等嬉しい。
終わった後Tさんに感想を伝えると、
「あと2割くらい行けたんですが…」と言っていたので、
新年一つ目のライブでこれなら2010年はとんでもないことになりそうです。


バートルビーも良かった。
何が良かったかというと、あの、終始人を煙に巻くMさんが本気を出して、
音楽がこちらを向いているということに感動しました。
そうして内面が垣間見えると惹きつけられるし音は熱を帯びてくる。
数年Mさんの音楽活動を影ながら見させてもらって、このバンドが一番素敵です。


「山手線」がぐっと来ました。
ライブで生を聴く方がずっとこの曲の良さが表れると思いました。
最後の曲「月曜日のユカ」は私も大好きな曲です。
とても切なくノスタルジックで胸が締め付けられます。
上手のMNさんが決壊し猛烈に弾きまくり、素晴らしいギターを聴けました。
S氏はこの難しいバンドの根底を支えるべく安定したベースを弾いており、
多分S氏がいなくてはこのバンドは飛び散ってしまうだろうとも思いました。
リズムの根幹という意味だけでなく。
何よりも笑顔ですごく楽しそうに演奏している姿が嬉しかった。
普段一緒にいる人の、
本気の表情を離れて見ることができるのはとても良いことでした。


素敵なライブをありがとう。
今年も良い音楽をたっぷりと染み込ませてゆきたいです。