柚の子は湯の子

柚子がひとつ、
冷蔵庫の中でさみしそうにしていたので、ゆずあんぱんを作りました。
しろ餡に柚子の皮と果汁をたっぷりと練りこんだものがゆずあんです。
はちきれる寸前まで詰めて焼いたら、
薄皮あんぱんを凌ぐ重量感でずっしりのみっちりです。
冬なので発酵が少し弱かったけれど、
生地がバターロールなので芳しい香りに包まれています。
なかなかめんこいので幾人かにおすそ分けをしました。
パンはまだまだ初心者なので実践あるのみです。
暖かい春、酵母に優しい季節になったらたくさん焼こうと思います。

実家から持って帰ったりんごも美味しそうなのがふたつ居たので、
キャラメルアップルパイを焼きました。
いつもよりひと手間かけてキャラメリゼにしたりんごは、
健康的な小麦色になってつやつや魅力的です。
おとものラムレーズンも大人の魅力をほのかに振りまいている。
こんな風にくちゃっと絞って焼くとよく火が通ってパイがさくさくです。
パイの外に染み出た果汁が本当にキャラメルになるので、
一個のお菓子で二度美味しいです。

もうひとつはチョコブラウニーでした。
小麦粉ちょっぴり、チョコとココアと卵たっぷりで、
濃厚なエアーズロックが焼きあがる様はいつ見ても圧巻です。
オーブンの中に湯気が昇りたち、
垣間見えるじるごつごつした物体は古代の叡智すら感じさせます。
ボウル一つで出来てしまう所がとてつもない喜びです。
空腹→食の脊髄反射レベルに見事に追いついてくれるお家おやつだから。
脳の出る幕もなく食べてしまったので写真は撮りませんでした。
ドライフィグ、オレンジピールが私の定番ですが、
この度はくるみとクランベリーがきゅむきゅむに入っていました。


そして残された柚子の果汁と皮は、
その日のお風呂に入れられるという運命をたどりました。
家からも外からも冬の恩恵を受けてほこほこになりよく眠れた夜でした。
旬のものを摂取するとやっぱり元気になります。