ヴェルナー・パントン展

halujion2009-12-23

ファンタジーランドスケープ
と聞いてわくわくしない人はいるでしょうか。
私は固有名詞を覚えるのが苦手で、
パントンと言われても像が結びつかない体たらくでした。
ファンタジーランドスケープという夢のような空間で寝転ぶ事ができる、
というそれだけで行って来た展覧会でした。
会場に一歩踏み入れると原色の洪水と椅子、椅子、椅子、
あの有名な流線型を描く椅子のデザイナーだとやっとわかる。ピカーン
そこから先は、家具とは思えないモダンなデザインに見入りました。
部屋を横断するワイヤーを連ねた蛇行している物体。
そこに座椅子のようなクッションを好きに乗せ、これ変化する椅子なのでした。
新しいものを世に送り出す人は発想がいかに柔軟なのかと思いました。
あんなに個性がはっきりしているのに自由を強く感じます。
家具は家具であって大切なのはその中身だと言っていたようですが、
確かに何通りにでも組み替えて使い手の自由表現になるツールでした。
私ならどうしようか…って考えしろがあるということは、
市場にも相手にも開けているということなんだな。


そしてファンタジーランドスケープ
あの場に一人きりだったら絶対「わーい」って大騒ぎしていたと思います。
寝転んでも、立っても、座っても、気持ちよくって良かったです。
明らかに寝ている方もいましたが、どうしたってそうなるよね、あれは!
赤から青へのグラデーションで彩られたふかふかの部屋は、
サーモグラフィみたく自分の内面温度を表すのかもしれない。
迷わず真っ赤なカーブに寝転んだ私が一番納得できる実験体のようでした。


あんなに派手で存在感があるけれど、
品があって真面目で、サイケデリックに逃げていないのがすごく印象的でした。
http://www.operacity.jp/ag/exh111/