プロペラリズム

halujion2009-12-16

私は飛行機が大好きです。
嬉々として乗っているくせに、
空が飛べる乗り物があることは
今でも信じられない思いでいっぱいなんです。
ずっと行きたかった調布飛行場へ行って参りました。


長野まゆみも本で言っていたように、
このあたりは、天文台あり飛行場あり植物園ありで
多感な子供たちには理想的な所だと思います。
大人だって、
心の中にやんちゃな子供がまだいるのなら、最高の遊び場になります。
以前国立天文台へ見学に来たときは寒い日で、真っ青なコートを着ていました。
今日もじんわりと寒い日で、真っ白なコートを着ていきました。


広い道を歩いて飛行場へ着くと、
ちょうど頭上から小型の飛行機がごごごと音を立てて舞い降り、着陸する。
管制塔が聳え立って、辺りには様々な形の飛行機が出番を待って佇んでいます。
離着陸の音以外には何もなく静まり返っていて、
なんだか冷え切った空気の中ですごく神聖な感じがしました。
私は金網に張り付いてそれを眺めていましたが、
レイ・ブラッドベリの「ウは宇宙船のウ」にこんなシーンがあったなーと、
まるで私は子供だとしみじみ思いました。

自分の力で空が飛べるなんていいな。
鳥や虫も良いけど、やっぱり私は人間だし、飛行機が一等素敵です。


飛行場併設のプロペラカフェでごはんを食べました。
店内は格納庫の一角なので、シンプルで気取っていなくて、それがいいのです。
正面の大きなガラスからは滑走路や待機中の機体が至近距離です。
店内のカウンターにはパイロットが常駐し、
管制官と交信したり機体のメンテナンスに出て行ったり。
一般人がお仕事の一端に入り込むことが出来てわくわくします。


最近飛行機を題材とした映画や小説をよく見たり読んだりしています。
そのせいかその中に入ってゆくようにぼーっとしてしまう。
ケチャップをかけたポテトやイルミネーションのちかちか光るチューブが
ぼんやりと霞んでいきます。
行ったことはないけれどアメリカの個人の飛行場とか、
郊外の油くさい整備工場とか、
そういうものが頭の中に広がってゆくようでした。


そして、なんと、お客さんが他にいなかったので、
特別に格納庫の中に入らせてもらうことが出来ました。
本来なら飛行機のオーナーしか立ち入れない所なのに。
とっても嬉しかったな。ご配慮ありがとうございました。
飛行機を見て私がやたら興奮していたからだと思いますが…、
間近で機体を見れることなどないので、ありがたく見学させてもらいました。
大 興 奮 !

私がパイロットだったなら。
機体はくすんだクリーム色か水色が良いな。
自分で操縦機を繰って空に浮かび上がる気持ちってどんなふうなのだろう。
ジャンボジェットの客としてですら、
離陸の瞬間にどきどきして毎回感動するくらいだから、もう想像もできない。