dip live

昨日はdipのliveを観に下北沢シェルターへ向かいました。
11月末のワンマンに行けなかったのでずいぶん腐っていたのです。
だって自分の好きなバンドのワンマンに行けないで仕事をしているなんて、
何で生きているのかよく分からないじゃないか。


この日のライブは最高でした。
13階段への荒野」からはじまるなんてなかなかありません。
この曲は十分に熱気が高まり空間を捻じ曲げるほどの吸引力が
表れた頃に演奏するからです。
つまりこの日は助走に当たる時間がライブ上でゼロだったのです。
初めから終わりまでdipの全てで、ぐんぐん引き込まれました。
私は涙が出ました。


dipの新しいアルバムAFTER LOUDは今のdipらしい良いアルバムだと思います。
けれど、そうは思わない人も沢山居るようです。
音楽なんて感じ方は人それぞれだからそれは当たり前のことなのだけども、
私が思うのは見かけに騙されるなということです。
これまでのファズが聴いた歪んだギターや連れ去られるロック、
という音ではないかもしれない。
けれどもこの明るさと分かりやすさというのは、
それを内包して尚且つこうまでそぎ落としたpopだということ。
それが証拠にliveでのこの圧倒感は有無を言わせぬものがあります。
文章でも小難しく敷居高くすることは簡単で、それが凄いものの様に見えますが、
実はそれを咀嚼して分かりやすくしたものの方が
ずっと背後の苦労と必要な技量は大きいのです。


まあそのようなごたくは結局の所どうでも良いのです。
とにかく失神するほどかっこいいライブを見ることが出来ました。
dipというバンドが日本に居て本当に良かったって私は誇りに思っています。
興奮のあまりY氏の前で挙動不審にもじもじした挙句
「今日のライブものすごく良かったです!」と拳を握って思いを伝えました。
そして顔がまっかっかになるのが自分で分かったのでそそくさと去りました。
ああ、緊張した。素敵なliveをありがとう、お疲れ様でした。