黒の手帖

halujion2009-11-08

本日手に入れた古本は実に収穫でした。
ひとつは長い間探していた雑誌
「黒の手帖」ドラッグ・カルチャー特集です。
赤瀬川原平の桜画報や植草甚一の文章、杉浦茂の漫画も載っております。
今これを世の中に出したら問題だろうと思われるものも多々ありますが、
本当に面白いです。
ドラッグ・カルチャーを乗り越える地平−幻覚からタントラへ−という
斉藤司郎の文章が特に興味深かったです。
井上ヨースケによる表紙絵も素敵です。
この人は絵本作家としてのほうが有名ですが、
絵本であってもやはりどことなく黒いものを秘めているのだった。


もうひとつは「幻術新潮」あっぱれ!科学が花開かせた江戸の芸術号。
江戸時代の科学はこんなにも最先端であった驚きが詰まっています。
顕微鏡や写真機や宇宙時計のディテールにはうっとりとします。
これら本物の多くは科学博物館で見ることができますが、
冊子にまとめられて自分の手の届く所でじっくり観られるのは、
これまた嬉しいものです。
西洋の硬質な筆跡とは違う解剖図や製図や雪の結晶図を見ていると、
科学を飛び越えた新しい芸術作品のように見える。
それが、この特集のきっかけだと思いますが、
実に芸術新潮はとても良いお仕事をなさっています。