かわいそうな財布

とても悲しい悲しい事件が起こってしまいました。
盗難に遭い、お財布が消えてしまったのです。
二次被害は防ぎましたがずいぶん落ち込みました。
お金がどうということよりも、それが職場でのことだったからです。
信頼している仲間がいて、自分が毎日通っているところ。
そこで、くだんの出来事によって数人が犠牲となりました。
周りを見渡したとき人に対して疑いの眼を向けなければならぬとは、
なんという不幸な事でしょうか。
全てに疑心暗鬼になってしまう自分も本当に醜くて辛いです。
憤りも感じますがそれ以上になんとも言えないもやもやした気持ちです。


でも、それが職場だったということは、
合わなかったりストレスを感じてという理由も十分考えられるわけです。
もちろんそれで片付けられる事ではないのでしょうけど、
その人のSOSに気付いたりしていれば防げたことかもしれないなあなんて思うと、
余波のしょんぼりが次々と襲ってきてうずくまりたくなります。


お陰で職場の雰囲気もぎすぎすしたものになってしまいました。
皆、人の表情を伺うような、怯えた目つきをしているような気がします。
せめて私はあっけらかんと気丈に振舞って明るくしようと思っても、
体と心は繋がっているからか、なかなか難しいのでした。
犯人が判らないままも嫌だけど判ったとしても辛いものがあります。
ああ、本当にこんなのは嫌だ。
早く元通り明るくて雰囲気のいい空間に戻ることができたら良いのに。


私のお財布よ、今どこにいるの。
かわいそうに君には何の咎もなかったというのに。