花・太陽・雨ときどき雪

沈丁花が芽吹いて、梅の花を見に出かけて、2月も半ば。
もう私は「そこをゆくのはお春じゃないか」と声をかける心づもりでいたのに、
今になって雪がどっさり降るとは夢にも思わなかったのです。
年末年始に実家で雪の毎日を送ったので、
もはやありがたみより寒さにがっかりしてしまうのでした。


けれどここ東京で、夜が明けると一面きらめく銀世界というのは新鮮です。
いつも塀の上で丸まって寝ている野良猫は、今日はどこで丸くなるのだろうか。
水気の多い雪はぼたぼたと肩にかかるごとに重さが伝わるよう。
これならきっとすぐに溶けて水に変わることでしょう。
猫どもはまたじきに陣地に戻って集会を始めることでしょう。
そして、バレンタインデイを控えた雪の降る日に、
思いをこめてお菓子をこしらえている女の子たちがいるのかなと思うと、
心もほかほかしてきます。

雪玉のようにふかでふかつるりとしたこの物体は、万頭です。
上町・鹿港の黒糖万頭は冷めていても美味しいので雪見おやつにぴったり。

胡桃を山盛り頂いたので、それをふんだんに使ったバターケーキ。
美味しかったので今度は誰かにおすそ分けしようと思いました。

コーヒーケーキを焼いた日もありました。
アーモンドプードルとひまわりの種とでナッツ・パラダイスでした。

今年のバレンタインにはベイクドチーズケーキを作りました。
小麦粉ゼロなのでスフレみたいな柔らかさで、
サワークリームがたっぷり入っているために見た目より軽いのです。
ムーミン谷の住人に見守ってもらって熟成させたケーキです。

もう一つはトリュフです。
でこぼこ岩山のようなのはロックを聴きながら作ったせいです、おそらく。
隠し味にビター・キャラメル・リキュールが効いています。


みんなが優しい気持ちになれる幸せなバレンタインを過ごせたらいいです。
本当は毎日がそうだといいと思います。