雨を撫でる

今日はまた随分と冷え込んで、おまけに雨もよう。
オセロをひっくり返すように忙しないこの気候は滅入ってしまいます。
寒・暖・寒・暖・デッド・カンダンス・です。ぐったり。
日本の四季はいつからこんなにとげとげしくなってしまったのだろうか。
本当に地球規模でおかしくなってしまっているのだと思うほかないです。


雨の中濡れそぼつ二人組。

もしもし、そんなに落ち込まないで。
背中を丸めていると、周りが見えなくなって、出口も逃してしまいますよ。
このダクトはアーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」みたいです。


もう葉っぱがほとんどの浅草の桜並木(注:一部造花あり)。

今日の桜は雨粒とともに降り落ちていって地面の上こそが満開でした。
踏まれて茶色くなっているのも儚くて美しいです。


桜が咲き始める頃は毎年ぐんと落ち込むのですが、
散り始めると私の元気はふつふつ息を吹き返してくる。
これはイキモノの最盛期より下り坂の過程を好きになる歪んだ趣味のせいか、
あるいは、単に葉桜になって緑が見えてくると嬉しくなるのだと思います。
何を隠そう新緑の季節が一番溌剌している。


言わばひと月早く五月病を終えるわけですが、今年はやけに軽かった気がします。
優しい人たちが周りに増えたことが大きいのだと思います。
別に会わなくても頻繁に会話をしていなくても、
こちらになんとなく笑顔が向いているのが分かるような瞬間がある。
だから私も自分の頭の中にあるその人たちの像を、
撫でたり磨いたりして過ごしている、そんな春です。
これを読んでいるあなた、撫でられていますよ。

浅草名物人形焼は、やっぱり木村屋さんが一等上等。もぐもぐ