宇宙展終わりの始まり

図鑑の「星の一生」というページには、
たいてい真っ赤に燃え膨らんだ星がドカンと破裂している絵があって、
子供心に得体の知れない恐怖に怯えたものでした。
星にも終わりがあるように、
ORIONLABOの展示にも終わりがあります。
12月24日をもって「夢みる宇宙展」は終了致しました。
ああ、とっても楽しい3週間でした!


師走のお忙しい時期に時間を割いて見に来てくださった方、
R座にお茶を飲みにいらして偶然出会った方、
来れなくとも応援してくださった方、
ちらしを置いて頂いたお店の皆さま、
そしてR座の店主さん、心から感謝致します。
粗が目立つ原石そのものであったにもかかわらず、
沢山の人が手にとって丁寧に見て下さいました。
本当にありがとうございました。
初めて「場所を借りて自分の作品を展示する」という、
私にとって新しい扉を開いたことによって、
数え切れないほどの気持ちの贈りものを手にしました。


何よりも、人に喜んでもらえたということが一番でした。
人の心をほんの少し楽しくしたりざわつかせたりする、
まるで音楽みたいなことが私に出来るだろうか?
まだそのような能力もセンスも備わってないことは重々承知しています。
けれどそんな見切り発車でも何かやらなくちゃ溢れてきてしまいそうでした。
それでも、私自身わかっていない感情のカオスの中から、
多くの人はその何かを感じ取って下さいました。
それだけで生きていける気がします。


月報を読んで笑ってもらえること。
食レポートを読んで胸の奥底に揺らめく感情を見つけたと言って頂いたこと。
芳名帳に残された沢山の言葉は、私の宝物です。
ひとつひとつ大切に読み返しています。
言葉の選び方までもガラスのように繊細な方ばかりで、
なぜこんなに素敵な発想が思い浮かぶのだろう、と目を見張ります。
願わくば書き込んで下さった方全員にお返事をさし上げたい。否、文通したい。
私がこの芳名帳を読んで思うのは、
書き込んで下さった方もそうでない方も、
あらゆる人が表現者なんだなあということです。
表現って絵を描いたり音楽をしたりそんな分かりやすい事ばかりでない。
たまたま帳面をぶらさげたら、これだけ宝石みたいに言葉で光を帯びてしまった。
どんな表現をしているかは人それぞれですが、
その宝石の一角を垣間見ることができる私は幸せものだと思います。


もうひとつ嬉しかったのは、
私がお誘いしたお友達がみなR座読書館を気に入ってくださったことです。
あの森とアクアリウムで邂逅、
という事もきっと今後はあるのでしょうね…素敵だな。
あのお店と出会わなかったら私は多分展示なんて思いつかなかったと思います。
催していたとしてもこれだけのレスポンスは頂けなかったかもしれません。
それでは、これこそが既に自分の内側との邂逅と言えるかもしれません。


最後になりましたが、
誕生日の贈りものやクリスマスの贈りものを差し入れて下さった皆さん、
お菓子や音楽の本や星の写真集などなどなど、
お気持ちと共に私の血となり肉となりました。ありがとうございました。
今後もORION LABOは科学といんちきを取り混ぜて、
楽しい読み物と空間を細々と造っていきたいと思います。
どうぞ、また、遊びに来てください。
皆さんの心の中にはもう、
大人のふりをした子供がわくわくして何かを待ち構えているはずです。ねっ。